白髪とは

皆さん、白髪というとどのようなイメージをもたれていますでしょうか。

黒髪よりも、白髪があるほうが、年をとって見える、と思われる方が一般的なのではないでしょうか。

株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミーの調査(2014年11月)によりますと、20~69歳男女の中で、

白髪がある人は73%。

そのうち、

男性は1/5の割合の方、女性は2/3の割合の方が、

白髪染めをしているそうです。

また、同じく、>株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミーの調査(2017年7月)によりますと、20~69歳男女の中で、白髪が気になり始めた年齢は

男性が平均38.0歳(3年前の調査では37.4歳)、女性が平均41.8歳(3年前の調査では38.3歳)

白髪ケアを始めた年齢は

男性が平均40.9歳(3年前の調査では40.6歳)、女性が平均42.6歳(3年前の調査では40.9歳)

だということです。


ストレスが多いと、若くても白髪の割合が増えるのでは、と、多くの方が気になる白髪ですが、白髪のメカニズムについては、科学が発達した現在もなお、謎が多いのです。

最新の研究(日本におけるタンパク質欠如論)

現在、西村栄美東京医科歯科大学教授らの研究チームにより、ラットを使った実験から、「白髪が発生する原因は17型コラーゲンというタンパク質の不足である」といった研究結果が出されてます。

「東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授らの研究グループは、北海道大学の清水宏教授ら、および前任地の金沢大学田所優子助教らとの共同研究で、17型コラーゲンが白髪と脱毛を抑えており、欠損すると毛包内の2種類の異なる幹細胞間での相互作用による幹細胞維持機構が破綻するため、白髪や脱毛を発症することを明らかにしました。」

「・毛包幹細胞が発現する17型コラーゲンは、毛包幹細胞の維持に必須であることが判明。 ・毛包幹細胞はTGF−βシグナルを介して色素幹細胞を維持しており、ニッチ細胞として働くことが判明。 ・17型コラーゲンが幹細胞の維持を介して白髪と脱毛を抑制することから、その予防や治療への応用が期待される。」(出典: 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 研究結果・プレスリリース
http://www.tmd.ac.jp/mri/press/press11/

最新の研究(イギリスにおけるIRF4遺伝子論)

現在、ロンドン大学(UCL)遺伝学研究所のルイス・リナレス(Andrés Ruiz-Linares)教授らの研究チームにより、6,000人のラテンアメリカ人に対しての調査から、「ゲノムワイド関連解析(GWAS)により、顔や頭の毛髪に影響を与える(厚み、色、形、グレー化、脱毛)染色体中の遺伝子の座標が特定され、IRF4が重要な役割を果たしていることが分かった。」といった研究結果が出されてます。

「To probe the mechanism by which IRF4 might impact on hair greying, it will therefore be important to evaluate whether the T allele at rs12203592 influences MITF in terms of melanoblast stem cell maintenance and survival or via melanocyte loss post differentiation.

(髪のグレー化に強い影響を与える「IRF4」のメカニズムを探るためには、rs12203592におけるTアレルがMITF(Microphthalmia-associated transcription factor)に、メラニン形成芽細胞の幹細胞の維持と生存に関して影響を与えるのか、あるいは、メラニン形成細胞の欠如や分化に関して影響を与えるのか、どうかを評価していくことが重要なのです。)」(出典: Nature Communications 記事 “A genome-wide association scan in admixed Latin Americans identifies loci influencing facial and scalp hair features” Article number: 10815 (2016) Published online: 01 March 2016
https://www.nature.com/articles/ncomms10815

「髪の色つやが失われる原因となる遺伝子を突き止めたとの研究結果が1日、発表された。今後、髪染めは、白髪を食い止めるための唯一の選択肢ではなくなるかもしれない。
 今回の研究で分かったのは、白髪への変化において役割を担っているのが遺伝子IRF4だということ。同遺伝子については、これまでの研究で、髪の色に影響を及ぼすことが知られていた。
 研究チームによると、遺伝子IRF4の正確な機能に関する研究を重ねることで、白髪化を遅らせたり、さらには食い止めたりする技術や治療法の開発につながる可能性があるという。」(出典: AFP BB NEWS 2016年03月02日 記事 「白髪化促す遺伝子特定、研究」
http://www.afpbb.com/articles/-/3078941

今後は、この17型コラーゲンの不足を補う方法、遺伝子IRF4の解明についての研究が待たれます。白髪が発生する原因が分かっても、それが、即、白髪を予防したり、白髪を黒髪化を可能にする方法が導き出されるわけではありません。

自然な状態で白髪になっていく人が多いことが分かっているため、白髪である状態をそのまま受け入れる方も多いかと思います。白髪になるということは、最新の研究によると、特定のタンパク質が失われているということのようですが、私たちが年を重ねていく中で、生き生きと暮らしていくために大切なことの中には、健康な生活を続け、17型コラーゲンの不足の予防をしていくことも、必要なことではないでしょうか。

健やかな人生を送っていくうえで、なるべく化学的な成分には頼らず、大地の恵み、植物の力を借りて、頭皮、頭髪、脳内、皮膚、内臓を元気にしていくことを、私たちがサポートしていきたいと思います。

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